日本環境感染学会資料「高齢者介護施設に於ける感染対策」(第1報)

日本環境感染学会資料「高齢者介護施設に於ける感染対策」(第1報)

日本環境感染学会資料 「高齢者介護施設における感染対策(第1版)」

 介護に携わるみなさま方 お疲れさまでございます。

昨日は、日本環境感染学会からの通知(高齢者福祉施設の方のためのQ&A)をお届け致しましたが、本日は同様に日本環境感染学会からの通知「高齢者介護施設における感染対策(第1版)」の概要をお届け致します。
貴社におかれましては、既に対策を実施されていることとは存じますが、少しでもお役に立てれば幸いでございます。

高齢者介護施設の共通点として、新型コロナウイルスにおける重症化リスクを有する多くの高齢者が入所していることが挙げられるので、高齢者が集団生活する施設において、入居者を守るために、施設として守って頂きたい対策の基本方針を示すこととした。感染予防の基本は自分が感染しない、人にうつさないことである。

 「1」総論的対策
 高齢者施設に入居している多くの方々は外出頻度は低く、施設外の人と接触が少ないため、入居者自身が施設外からウイルスを持ち込む
 可能性は 低いと考えられる
 一方、スタッフは、施設外での生活が中心であることから、スタッフ自身が無自覚のうちにウイルスを持ち込む可能性が考えられる。
 また、面会などの施設外の人による持ち込みも懸念される
 従って、高齢者介護施設における新型コロナウイルス感染対策としては、下記の取組みが必要となる
 (1)施設内に持ち込まない対策
 (2)知らないうちに持ち込まれた場合に備えて、早期に感知する対策
 (3)困ったときに相談できる体制の整備

  (1)施設内に持ち込まない対策
   1)面会者:施設内への入室を原則禁止
   2)業者:入居者エリアへの入室禁止
     訪問マッサージなどは体調を確認の上、マスク、手指衛生を励行し、必要最小限の時間のみ入室を認める
   3)スタッフ:勤務前の体調管理を行うとともに、勤務中に該当する症状が出現した場合は、早急に帰宅できる体制を整えること

  (2)早期に持ち込みを感知する対策
   高齢者施設の入居者は誤嚥性肺炎など、発熱等の症状を生じることが多いため、日常の健康状態を確認しておくこと
   通常より発熱患者が多いなど、異常を早期に感知するきっかけになる

  (3)困ったときの相談体
   地域の保健所や、協力医療機関との連絡体制を確認しておくこと

 「2」各論
 (1)自分が感染しない、人にうつさないための対策
  1) 手指衛生の励行
  ①職員は流水と石けんによる手洗い及びアルコール消毒を行うこと

   2) 個人防護具
  ①糞便など体液・汚物処理をする際には、マスクのほか眼鏡、ゴーグル、フェイスシールド付マスク、手袋、エプロンを着用すること
  ②手袋やエプロンなどの個人防護具は入居者ごとに交換すること
  ③マスクが入手可能であれば、職員は常時マスクを着用すること
   外す際に汚染の可能性がある箇所を触らぬこと、その後手指消毒をすること

 (2)施設内に持ち込まないための工夫と対策
   3) 面会や施設内外のプログラムの制限や休止
  ①不要不急の面会は中止し、やむを得ず面会される場合はマスク着用のこと
  ②施設内での密集するようなイベント、外出レクリエーション、延期可能な定期検診などは控えること(但し、高齢者の不活発化にともなう
   フレイルにも注意する必要があることから、室内の換気や入居者同士の距離に留意してプログラムを組むことは可能。また、屋外散歩などは
   差し支えない)

  4) 職員の健康管理
  ①職員の発熱や感冒様症状などの体調不良者を把握すること
  ②三密(密閉した空間・密集した場所・密接した場面)を避けること

 (3)拡げないための工夫と対策
  5) 入所者・デイケアの健康管理
  ①入所者やデイケア等の利用者の発熱や感冒様症状などの体調不良者を早期に把握すること
  ②利用者で発熱がある場合は、保健所と連携しながら判断すること
  6) 換気
  ①居室、サロン、食堂、リハビリ室、診察室、職員休憩室など施設内すべてが換気の対象になる(例えば日中は1時間に1回程度、1回10分程度)
  ②発熱や検査中の入所者は個室で待機頂き、換気(1方向のみの換気)すること
  7) 加湿
  ①この感染症と湿度の関係は不明なので、加湿が感染予防に有効か判断できない
  8) 環境・器材消毒
  ①アルコールもしくは次亜塩素酸ナトリウムでよく触れる場所(ドアの取っ手やノブ、ベッド柵など共有部分など)を消毒すること
  ②トイレなどの環境や陰部洗浄ボトルなどの器具は入所者ごとに交換、次亜塩素酸ナトリウムで消毒すること
  9) 配膳と給食、リネン管理
  ①発熱者や検査中の方は個室でとるようにし換気に留意すること
  ②職員が食事をとる際はマスクを外すので、換気・時間・空間を分けること
  ③食器やリネン類は通常の80℃、10 分間の熱水消毒で十分である
  ④ハンカチやタオル類の共有は避けること
 10) 入所者および職員の検査と地域連携
  ①潜伏期も含め偽陰性がみられることや、高齢者では尿路感染症や誤嚥性肺炎、胆石胆嚢炎など様々な感染症も多くみられることから、
   地域における発生状況や、職員や入所者に原因不明の発熱や呼吸器症状が増加しているなどの徴候があれば、帰国者・接触者相談センター、
   保健所や地域医療機関とも連携して対応すること

 *入居者様の健康を守るためには、先ずは職員の健康管理が重要となります。
  ただ、多数のスタッフの健康(特に発熱)を早期に且つ一堂に把握することは非常に困難です。
  弊社はその問題を解決すべく、発熱管理システム「ばいたるイルカ」を開発し、直営店で運用を始めました。
  このシステムは、自身とご利用者の健康状態を把握するために開発したものですが、ご興味をお持ち頂けましたら、
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著者プロフィール

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若山枢一
海運会社に40年間勤務し、この会社にお世話になっています。
京都生まれの京都育ち、横浜に住んで40年になりますが、未だに関西アクセントの抜けない日々を送っています。
入社以来10年間に亘り内部監査室に在籍し、昨年ソリューション部QM室(品質管理室)に着任しました。
この度、紙面に「内部監査室」のスペースを頂くことになりましたので、誠に恐縮ながら自己紹介を始め、内部監査及び品質管理に関するところを述べさせて頂きたいと思います。

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