選ばれる介護施設には理由がある! システム導入で事業効率化を

介護事業を取り巻く状況

介護業界の2016年倒産件数は108件、2015年と比較すると42.1%増と、過去のデータからも最悪のペースとなっています。高齢化社会を迎え成長分野と位置付けられていた福祉業界ですが、今、多くの企業に経営危機が迫っているのです。

しかし、市場の成長は止まったわけではありません。2025年には65歳以上の人口は3,657万人、人口の30.3%を占めると予想され、医療・介護事業はより拡大すると予想されています。今後は、より時代に合った経営を実践する企業が倒産という淘汰を免れ、健全な経営を続けていくでしょう。では、経営を悪化させる原因はどこにあるのでしょうか。そして、どのようにすれば生き残っていけるのか、今回はその方法を探っていきます。

介護事業の経営はなぜ厳しいのか

東京商工リサーチの調査によれば、2016年の主な倒産原因は販売不振で、全体の63.8%を占めています。大きな設備投資をしても入居者が集まらないのでは、経営は苦しくなるのも当然です。

これは、倒産件数の約半数が設立5年以内の事業者であることから、異業種からの安易な参入が倒産の大きな要因のひとつだと考えられます。また、既存業者であっても、旧態依然とした経営では、成長する業界の過当競争に巻き込まれて生き残れないケースがあるでしょう。

それに加えて、介護人材の不足も挙げられます。介護労働安定センターによるアンケート調査では、介護事業所の従業員不足感は61.3%にものぼっています。しかし、不足感はあっても、介護報酬や上記のように販売不振で人材確保は難しい状況にあります。求職側も賃金が低い、休みが取りにくいなど、介護業界への就職を躊躇する傾向があります。

人材の確保が不十分であれば、入居者へのサービス向上は困難になる一方です。国による処遇改善加算などで、確かに一定の賃金上昇は見られました。しかし、実質的にマイナスを続ける介護報酬、企業の販売不振などによる人材確保の難しさという負のスパイラルは、未だ大きな改善を見いだせていません。

将来へ向けて経営の安定化を図っていくのであれば、この悪循環を断ち切ることが必須です。

今後成長は見込めるが、生き残るには変革も必要

前述したように2025年には65歳以上の人口が総人口の30.3%を占める、超高齢化社会が到来すると予想されています。これにともない介護業界の市場規模は、今後も成長していくでしょう。

ただし、現在存続している企業がこのまま安定して成長していけることを示しているわけではありません。2016年の倒産件数が示すように、不安定な経営をする企業は選別、淘汰されてしまうのです。

介護報酬の問題は業界全体で考えていく問題ですが、企業としては、存亡をかけて経営の安定化に尽力していくことが必要です。経営効率を上げて利益の出る事業所、サービスを向上させて利用者に選ばれる事業所にしていかなければ、介護業界淘汰の波に飲み込まれかねません。

現在議論が高まっている混合介護に対応していくためにも、生き残るための変革をする時期にきているのではないでしょうか。

経営効率を上げるためのシステム化

生き残るための変革にはさまざまな方策がありますが、基本は経営効率の向上です。慣例や経験も介護の現場では非常に重要なことですが、それが非効率的であり正確さを欠く場合には、是正していかなければ経営を圧迫する原因になりかねません。

そのためには、システム化が第1の選択肢です。介護業界ではほかの業界と比較して遅れている感がありますが、今後は積極的に導入する企業が増加していくでしょう。

システム化で入居者情報の共有や地域医療機関との連携を強化することにより、入居者の満足度の向上、地域の新規入居者の獲得が期待できます。

また、従業員のシフト、配置などの管理や研修、目標設定・評価を取り入れることも容易になるため、従業員のやりがいや仕事に対する満足感を引き出すことができます。

システム化により、できるだけ効率化を推進する。それが、販売の向上と人材確保、他事業者との差別化につながり、経営が安定する大きな一助となるでしょう。

ただ、システム化といっても、その事業所に合ったシステムを構築していく必要があります。小規模事業所で過剰なシステムは必要ありませんし、大規模事業所で簡略化されたシステムでは意味がありません。それぞれの事業所の特徴にあったオーダーメードのシステムを構築することで、経営の効率化が図れるのです。それには介護業界に精通したコンサルティングが必要となります。事業所全体の状況を見て、どのように効率化するのか、そして、システムを使いこなすための従業員教育。コンサルティング会社ならば、それらのことをトータルに考えながら、システム化を進めてくれるでしょう。

これからの介護福祉業界は差別化と効率化がカギ

介護福祉の仕事は、適正な利益を出しながら、いかに社会貢献をできるかが大切です。事業の利益、従業員の生活が安定しなければ、社会貢献はできません。

今後、生き残っていくためには、他事業者とのサービスや従業員待遇などの差別化と、それを可能にする経営効率化が大きなカギとなってくるでしょう。

その実現のために、システム化は重要な役割を果たします。「システムのことはわからない」「難しそう」などの懸念があるかもしれませんが、「煩雑で不確かなこと」や「難しいこと」を正確に、簡単にすることがシステム化です。

事業所の方向性に悩んでいる経営者の方には、ぜひ、システム化の検討をおすすめします。


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